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> 『野球の国』(奥田英朗)光文社文庫
新幹線の車内で読もうと、気軽な気持ちで手に取った本。実際、読みやすく、ものの1時間半程度で読了。だがしかし、この著者が『最悪』等の作品を持つ直木章作家のエッセイであるとは経歴を読むまでまるで気付かなかった。。
【あらすじ】「一人旅は思いがけず楽しかった。/アローンだがロンリーではなかった。一人でどこにでも行けた」この小説家に必要なもの、それは―野球場、映画館、マッサージ、うどん、ラーメン、ビール、編集者、CPカンパニーの服…そして旅。沖縄へ、四国へ、台湾へ。地方球場を訪ね、ファームの試合や消化試合を巡るトホホでワンダフルな一人旅。珠玉の紀行エッセイ。
『野球の国』(奥田英朗)光文社文庫_e0000839_005919.jpg【コメント】まさか小説家(それも直木賞作家…)の書いたエッセイとは思わなかった…。”下川裕治”的な人が書いたものだとてっきり思っていた。いやむしろ素人のブログ日記レベルかも…。そのくらい文体はひどい(例えば、「ベリー不機嫌。アンド憂鬱」とか「ウルトラ寝付きが悪くて」という記述)。
でも面白い。地方へ野球観戦へ行って、ついでに観光もしてしまうという旅行エッセイなのだが、読了後の私は「今すぐにでも旅へ出たい」という気分になっていた。その辺、読者の惹きつけ方はうまい!また、肝心である野球観戦の楽しさも再認識させてくれる。
文中で次のような記述が出てくる。
~わたしは、プロットを一切立てないで書き進める作家である。『最悪』や『邪魔』といった長編小説も、行き当たりばったりで完成させた。~
ますます、奥田英朗という作家がわからなくなってきた。先に「文体がひどい」という旨のことを書いたが、案外それが著者のよいところなのかもしれない。そういえば、『最悪』という小説も”どうなるかわからない”という点で予測不可能なところが面白かった記憶がある。。
『野球の国』(奥田英朗)光文社文庫_e0000839_15545338.gif
by issa-izm | 2005-08-14 23:28 | 書評&DVD鑑賞記

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