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香港/マカオ滞在記vol.1「いざ香港への巻」
眼下には空の色と対照的に色づき始めた摩天楼が広がっている。香港の街を包み出した夕闇の中、私を乗せた香港ドラゴン航空は香港国際空港へ降り立った。
「若いうちに香港へ行きたい!」、それは私のかねてからの夢であった。その理由は沢木耕太郎の『深夜特急』に影響されたからに他ならない。この著書で彼は、旅に出る適齢期を26歳と定義づけ、実際1年以上にも及んだユーラシア大陸横断の旅を綴っている。その中でも旅の始まりとなった香港およびマカオの紀行がとりわけ強く印象に残っていた。「香港では毎日何かが起こった」とか「何かしらの事件が自分の方へ自然に近づいてきた」という記述に確実に感化され、喧騒溢れると言おうか、猥雑や雑多と言うのだろうか、そんな刺激いっぱいの香港はいつかしら憧憬の街になっていた。 今回の旅行のテーマは、「貧乏旅行」。できるだけお金を使わず、その場の感性で行動しようと心に決めていたので、日本で事前に予約してきたものと言えば、往復の航空券と滞在初日の宿のみであった。海外ひとり旅はこれで3度目になるが、その過去2度は滞在中のすべての宿と空港までの送迎が付いたものであったので、今回すべて自分で手配しなくてはいけないことに若干の不安はなくはなかったが、血沸き肉踊るといった心理の方がやや強かった。 前置きが長くなったが、19時過ぎに入国審査を終えた私は便利で早いエアポートエキスプレスやリムジンバスには脇目も振らず、一番安価な路線バス(約¥680)を選択し、その日の宿泊先である北角の『Ibis North Point Hotel』(1泊¥6,800)へ向かった。 日本で例えるなら、首都高のような道路をバスは高速で走りすぎていく。脇には煌々と灯りを点した大きな倉庫群が立ち並び、物流の激しい香港を間近に感じさせてくれたし、中心地の九龍(Kowloon)を過ぎ、香港島へ渡る頃には派手で艶やかなネオンサインがビクトリア湾岸を彩り、バスに乗車していた約50分間は瞬く間に過ぎ去っていた。 運転手との意思の疎通がうまくいかず、降車したバス停は最寄りのそれより一つ先ではあったが、10分程適当に歩き、ようやくホテルにチェックイン(21時前)。近くの食堂(Delicatessen Restaurant)で「Sliced Chicken Fried Rice」(約¥360)という恐ろしい量の鶏肉が入った炒飯を食べ、その日の活動は終了とした。 さて、宿泊したホテルだが、そこそこ綺麗なビジネスホテル風。最上階にはレストランもBARもあり、はたまたコンシェルジェまでいるのにバスタブはなく、またそのシャワーは故障しており、蛇口のみで入浴するというとんだ滞在初日となったが、疲れ果てたのでそのまま文句も言わず、床に就いたのであった。 次回、マカオ編。乞うご期待ください!
by issa-izm
| 2005-09-19 13:54
| 海外徒然日記
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